フォトブック作成のためのプレゼンテーションソフト比較

2020-08-02

KDE neonを使おう

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1000枚近くの写真をフォトブックにするにあたりフリーレイアウトでページを作成するためにプレゼンテーションソフトを使います。比較するのはLibreOffice Impress、Googleスライド、Microsoft 365 PowerPoint(Office Onlineの無料のもの)の3つです。結果として使用したのはGoogleスライドとMicrosoft 365 PowerPointの両方を必要としました。

フォトブックサービスを選ぶ

1ページ全体に1枚の写真を載せられるフォトブックサービスを探す

プレゼンテーションソフトでレイアウトをして1枚の写真にしてしまうので、利用するフォトブックサービスの方ではレイアウト機能は不要です。

 大量の写真を載せるのでたくさんのページがあって、安いのを選択しました。

オートアルバム [スマホ対応] | フォトブックならマイブック

(2022.10.23追記。オートアルバムはマイブックに統合されていました。機能に変更はないようですが表紙のパターンが減ったような感じがします。)

選択したのはこのオートアルバムです。



100ページ作成してもハードカバーで税込み6,204円(2022.10.23だと6,820円)です。

送料無料の日があったり20%オフクーポンが頻繁に発行されているので、両方利用すると5,000円ぐらいで作れてしまいます。


 1ページ1枚のときの写真の画素数と大きさを調べる

利用するフォトブックサービスを決定したら1ページ1枚のときの写真の画素数と大きさを調べます。

オートアルバムの場合の写真の画素数です。

A4横の場合は2447x1963ピクセル、A4縦の場合は1942x2785ピクセルになります。

プレゼンテーションソフトから出力するときにこの画素数に合わせたjpgファイルにすればよいわけです。


オートアルバムでの写真の大きさです。

A4横の場合は260x184mm、A4縦の場合は182x261mmです。

プレゼンテーションソフトのスライドの大きさをこの大きさに設定します。

フォトブックサービスの解像度を調べる

画素数と大きさから解像度を計算しておきます。

pixel⇔mm⇔dpi 計算機|シメケンプリント

この計算機を利用しました。


A4横の場合は解像度は271dpiあればいいことがわかります。


A4縦の場合も解像度は271dpiあればいいことがわかります。

プレゼンテーションソフトのスライドの大きさを設定する


プレゼンテーションソフトのスライドの大きさを作成するフォトブックの写真の大きさに設定します。

LibreOffice Impress

LibreOffice Impressではcmで設定します。

スライド ー> プロパティ。


A4横の場合はサイズ名に16Kaiを選択するだけです。


A4縦の場合はサイズ名にユーザーを選択して数値を入力しないといけません。

 Googleスライド

Googleスライドではピクセルで設定します。

ファイル ー> ページ設定。

A4横の場合。


A4縦の場合。

Microsoft 365 PowerPoint

 Microsoft 365 PowerPointの場合は単位がインチになっているので正確に設定できません。

下記はGoogleスライドで設定したものをpptxファイルで出力して読み込んだもののサイズです。

 デザイン ー> スライドのサイズ。

ユーザー設定のスライドのサイズ。


A4横。

1″=25.4mmなので、734.06x519.176mmということになりますね。

 260x184mmなら10.2″x7.2″になるはずですけど、10.2″x7.2″にしてjpgファイルとしてダウンロードすると979x691ピクセルになってしまいます。

逆算すると解像度は95dpiになります。



A4縦。

これは513.588x736.6mmになります。

182x261mmなら7.2″x10.3″になるはずですが、7.2″x10.3″にしてjpgファイルとしてダウンロードすると691x989ピクセルになってしまいます。

 逆算すると解像度は96dpiになります

スライドに写真を配置する


写真の明るさや色合いの調整はフォトブック作成のための写真の整理-p--qのようにdigiKamなどでやっておかないといけませんが、写真のトリミングやサイズ変更、方向の変更はプレゼンテーションソフトでやります。

LibreOffice Impress

写真の挿入

挿入 ー> 画像、で写真を挿入できます。

サイズ変更

サイズ変更は写真を選択してでてくるハンドルをドラッグするだけです。

四隅以外のハンドルを操作すると写真の縦横比が変わるので、操作するのは四隅のハンドルだけにします。

回転

写真の中央をクリックしてでてくるハンドルをドラッグします。

これも操作するのは写真の四隅だけのものです。

中央のハンドルをドラッグすると回転軸を移動させることができます。

トリミング

トリミングは写真を右クリック ー> トリミング、ででてくるハンドルをドラッグするだけです。

図形に合わせてトリミングする

円形にくり抜いてみます。

挿入 ー> シェイプ ー> 基本シェイプ ー> 円。

塗りつぶしされているときは、挿入した図形を選択して右クリック ー> 領域、領域、なし、で塗りつぶしを消せます。

写真と図形を両方選択します。

両方選択するには両方入るように枠をドラッグするか、Shiftキーを押しながら両方を選択します。


両方選択した状態で右クリック ー> シェイプ ー> 一部を切り取る。

図形と写真の両方をちゃんと選択できていないと「シェイプ」の項目はでてきません。


これでうまく切り抜きできたように見えますが、よくみると写真が結構歪んでいます。

 これは結構深刻な問題で、LibreOfficeはこの点で脱落です。

使用したバージョンは6.4.5.2です。

 Googleスライド

写真の挿入

挿入 ー> 画像 ー> パソコンからアップロード。

サイズ変更

サイズ変更は写真を選択してでてくるハンドルをドラッグするだけです。

四隅以外のハンドルを操作すると写真の縦横比が変わるので、操作するのは四隅のハンドルだけにします。

回転


写真を選択したときに上に飛び出ているハンドルをドラッグすると回転します。

回転中は傾けている角度が表示されます。

回転軸の移動はできないようです。

 トリミング


画像を切り抜く、ボタンをクリックしてからハンドルをドラッグします。

図形に合わせてトリミングする

トリミングしたい写真を選択して画像を切り抜くボタンから切り抜きたい画像を選択します。

 トリミングした後その写真をダブルクリックすると切り抜いた画像の変形ができます。

さらにその状態で写真をドラッグして切り取り範囲を移動させることができます。

これは他のプレゼンテーションソフトにはない機能で、結構便利です。

Microsoft 365 PowerPoint

写真の挿入

挿入 ー> 画像 ー> このデバイス。

サイズ変更

サイズ変更は写真を選択してでてくるハンドルをドラッグするだけです。

四隅以外のハンドルを操作すると写真の縦横比が変わるので、操作するのは四隅のハンドルだけにします。

回転

写真を選択したときに上に飛び出ているハンドルをドラッグすると回転します。

回転中は傾けている角度が表示されます。

回転軸の移動はできないようです。

 トリミング

トリミングは写真を右クリック ー> トリミング、ででてくるハンドルをドラッグするだけです。

図形に合わせてトリミングする

Microsoft 365 PowerPointにはこの機能はないようです。

スライドをjpgで出力する


LibreOffice Impress

スライドを一括でjpgファイルとして出力するには拡張機能が必要です。

Export As Images

この拡張機能をインストールしてファイル ー>Export as images。


 A4横の場合は2447x1963ピクセル、A4縦の場合は1942x2785ピクセルにします。

Qualityを100%にしてExportすると、すべてのスライドがjpgファイルで出力されます。

Googleスライド


ファイル ー> ダウンロード、をみても一括でjpgファイルで出力する方法はありませんでした。

Microsoft 365 PowerPoint


ファイル ー> 形式を指定してダウンロード ー> 画像としてダウンロード。


ダウンロードボタンをクリックするとダウンロード先を指定するダイアログがでてきます。

このダイアログはダウンロードしたファイルができてから表示されるのではなく、このダイアログでダウンロードをクリックしてからファイルの作成が始まるようで、スライド枚数が多いとダウンロード先を指定するダイアログがなかなかでてきません。

スライド枚数が50枚ぐらいになってくるといつまで待ってもダウンロード先を指定するダイアログがでてきません。

なので、スライド枚数は30枚ぐらいに抑えておかないといけません。

ダウンロード時にjpgファイルのサイズ指定はできません。

比較の結果

スライドの大きさ指定

LibreOffice ImpressとGoogleスライドはピクセルでサイズ指定できます。

これらに対して、Microsoft 365 PowerPointはインチでしかサイズ指定できない上にピクセルでサイズ指定する機会がないので、これでフォトブック用のスライドを作成するには不向きです。

スライドに写真を配置する

LibreOffice Impressは図形を指定した切り抜きで写真が歪むので使えないですし、Microsoft 365 PowerPointは切り抜き自体ができません。

 スライドに写真を配置するにはGoogleスライド以外選択肢はありません。

 スライドをjpgで出力する

LibreOffice Impressは拡張機能を使えば一括でjpgファイルに変換できます。

Googleスライドは一括でjpgファイルに一括変換する方法はありませんが、PowerPoint形式に変換してダウンロードできます。

 Microsoft 365 PowerPointは一括でjpgファイルに変換できますが、スライド数は30枚ぐらいに抑えておかないといけません。

Googleスライドでスライドを作成してMicrosoft 365 PowerPointでjpgに変換するのがベスト

 

(2022.11.11追記。jpgへの変換はGoogleスライドからPDFで出力して、PDFからjpgを切り出す方法の方が簡単です。フォトブックの作成手順-p--q参照。)


スライドの作成はGoogleスライドで行います。

テキストボックスを使うときは1行の長さを大きめにしておきます。そうでないとMicrosoft 365 PowerPointにもっていったときに改行されてしまいます。

スライドの大きさは利用するフォトブックの1ページ1枚の写真の大きさをピクセルで指定しておきます。

作成したスライドをjpgファイルに一括変換するためにはGoogleスライドから、 PowerPoint形式でpptxファイルをダウンロードします。

ダウンロードしたpptxファイルをMicrosoft 365 PowerPointにアップロードしますが、スライド数が多いとアップロードに失敗するのでOne Driveでアップロードしました。

 スライド数が多いときはアップロードした後にMicrosoft 365 PowerPointでファイルをコピーして、1ファイルのスライド数が30枚程度になるようにしました。

本当は一括で処理できるLibreOfficeでjpgファイルに変換したかったのですが、図形に合わせて切り抜いた写真の切り抜きがすべて図形の中心にずれてしまうので使えませんでした。

あとはMicrosoft 365 PowerPointからjpgファイルとしてスライドをダウンロードしました。

jpgファイルのファイル名は連番になっていますが、スライドファイルごとに1番から始まるのでフォトブックにアップロードする前に通し番号になるようにファイル名を変更しないといけません。

ファイル名の変更はdigiKamで行いました。

あとはオートアルバムにファイルをアップロードすればファイル名順に並べてくれます。


 情報なし、ふち取りなし、白背景、にしています。

オートアルバムでは表紙は用意されたものから選択するだけでカスタマイズはできません。

 だいたい1ページに9枚ほど写真を詰め込んで、56ページと64ページの合計2冊を作成したので、全部でだいたい1000枚ほどをフォトブックにできました。

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