レセ電(1)データを見るソフトウェアが手元にない

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今年は2年に1度の診療報酬点数の大改訂の年です。改訂を経るごとにますます請求条件が複雑になりコンピュータを使わないと全く処理ができません。医療機関から診療報酬点数表に従って保険期間に医療費を請求する書類が「レセプト」でそれを電子化したのが「電子レセプト」=「レセ電」です。

複雑過ぎてコンピュータだけでは処理できない


診療報酬点数とは医療機関が行う医療行為についての統制価格を定めたものです。

2年に1回大幅改訂があり今年の4月がそれにあたります。

毎回この時期の医療機関では大騒動です。

改訂のたびに点数の請求条件が複雑化していき、コンピュータを使わないと処理できないどころか、コンピュータを使っても処理できなくなっています。

条件設定をすれば点数を算出してくれるソフトウェアを国が配布してくれればよいのですが、そうはいかず診療報酬情報提供サービスでマスターファイルが公開されているだけです。

このマスターファイルですら4月にさかのぼって訂正されることがあります。

医療関係者でなくても、患者として病院に受診すれば同じ治療をされているはずなのに、支払い金額が違う機会に遭遇してその複雑さに気がつくでしょう。

①受診した時間によって金額が変わり、
②受診した科によって金額が変わり、
③担当医師の資格によって金額が変わり、
④年齢が変わると金額が変わり、
⑤病名が変わると金額が変わり、
⑥1回目の受診と2回目の受診では金額が変わり、
⑦月をまたぐとまた金額が変わり、
⑧同じ薬の量でも飲み方の組み合わせが変わると金額が変わり、
⑨受診している病院の設備(自分の治療とは関係なくても!)が変わると金額が変わり、
⑩入退院患者数によっても金額が変わり、
⑪勤務している看護師さんの数によっても金額が変わり、
⑫同じ手術を受けた人数によっても金額が変わり、
⑬地域が変わるとまた金額が変わり、
⑭その医療機関の保険の審査をしている担当官が変わるとまた金額が変わり、、、

ちょっと思いついたものを挙げてみました。ほかにもいっぱいあります、、、

①はかなりの率でクレームが来るので受付の段階で説明が必須となっています。

⑤と⑥は大学病院にいるときは頻繁にクレームがありました。管理料といって治療行為と関係なく月1回請求される点数がある病気が大学病院では多く診ているせいだと思います。

入院費用は高額療養費となり自己負担額が一定になることが多く、それに関する金額の変化は患者さんは気づきにくいと思います。

病院が経営的に対応に苦慮しているのは近年次々と新設される条件⑨⑩⑪⑫です。

全患者に影響するので対応を誤ると民間病院はあっという間に倒産です。

⑬はずっと同じ病院に勤務していると気づかないのですが、転職すると結構違いに驚かされます。点数が変わるというより⑭と同じく審査官が変わるのが原因です。

⑭は本当に訳がわかりません。矛盾したことも言われます。問答無用です。それでいて患者さんには明細書を発行してそれについての質問に答えるのは医療機関ということになっています。

このほか最近は後発品といって、薬の名前が(薬の種類ではなくて名前だけが!)めちゃくちゃ増えて、扱わないといけないデータ量が飛躍的に増加しています。

ということでもうコンピュータがないと手に負えません。

ところが設定条件が複雑すぎて、すべての条件を勘案してくれるソフトウェアはありません。

電子レセプトのメリットには電子化すると経費が節約されます、と書いてありますが人件費と紙代が計上してあるのに、なぜかコンピュータとソフトウェア代が計上されていません。

現実には人件費に替わってコンピュータとソフトウェアと維持費は膨大な金額になっています。

これらの金額をケチると手間がかかって人件費がかかってくるので結局経費削減効果はありません。

経費削減には診療報酬体系の簡素化が一番メリットがありそうですけど、そういう発想はないようです。

後発品の薬の名前ももう超法規的に商標は無視して全部先発品の名前を先頭に含めてくれればすごくメリットがあります。

最近発売される薬の名前に「デュ」とか「ビュ」とか、入力しにくいし、覚えにくいし、聞き間違いやすい文字がよく入っているのは、もう既存の文字だけでは間違えやすい似た名前しか作れないからではないでしょうか。

そのうち、「ア゛」とか「イ゜」とかいう文字が混じった新薬が登場するかも知れません。

実は「ビ・シフロール」とか「S.M散」(ドットが必要)とか発音できない文字を含んだのが正式名称の薬は既にあります。

(添付文書情報メニューでちゃんと調べてみたら「S.M散」ではなくて「S・M散」でした。このリンク先の検索システムでは「SM散」では検索されないのですが、「S.M散」でも「S・M散」でも検索されました。ちなみに「ビ・シフロール」は「ビシフロール」でも「ビ.シフロール」検索されます。ならば「SM散」でも検索されてもよさそうですけどね。)

私はいつもこれらの検索で戸惑います。

紙の本で見るにしても本によって索引に挿入される位置がまちまちです。

と、まあ愚痴になってしまいましたが、いまからやろうとしているのはこの複雑な条件に従って請求したものの、その条件が違うといって突き返されるレセプト(これを返戻(へんれい)という)を減らすべく、その対策を立てることです。

そのためにまずは自分の病院から請求している電子レセプトのデータの解析から始めます。

ちなみに当院では提出は電子化していますが、院内でのチェックは紙で回ってきます。

電子レセプトが処理できるパソコンは事務に数台あるだけで、それは入力作業と電子レセプトの変換作業にフル稼働でチェックごときに回せないわけです。

ということで電子化しても紙代は減りません。

参考にしたサイト


診療報酬情報提供サービス
電子レセプト(レセ電)の解説やマスターファイルがあります。
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